接遇

デイサービスの相談員をつとめております松久です。
最近、さまざまな企業や団体が「接遇」と呼ばれる、接客業務時における接客スキルの教育に力をいれています。
昨今、お客さまが企業やお店に求めるもの(支払いの対価)が大きくなり、それに伴って対応におけるクレームが多発していると聞きます。私も前職が接客業であったため、それなりの体験はしてきました。

さて、私の所属しているデイサービス(DS)は、介護保険上の定義で「心身機能の維持・向上を図ると同時に、介護者である家族の心身的な負担の軽減を目指し、利用者の自立した在宅生活を支援する」となっています。

デイサービスは、施設に住まれている入居者さんとの大きな違いがあり、気に入らなければ無理して通わなくてもいいという事なのです。
利用者さんの在宅生活が継続出来るように支援すると同時に、継続して来ていただけるようにするには、「接遇」の技術が必要だというコトがとても大切なのです。

接遇とは、五輪招致でも有名になりました「お・も・て・な・し」のコトです。

飲食店でウエイターが水やおしぼりを持ってくるのがサービス。おしぼりを渡す際に「お仕事お疲れ様です」と一言かけて渡すのが「おもてなし」です。すなわち想定内のことは「サービス」で、想定していない、人を気遣った言動や行動が「おもてなし」なのです。
些細な一言なのですが、この瞬間に言われた側はとても感動し、一瞬にして心を開いてしまいます。「おもてなし」⇒「ココロの交流」が接遇のゴールでもあるわけです。

私たち介護職が「おもてなし」の意識を持って接することにより、利用者さんが「ココロを開いてくれる」それが「ココロの交流」であり、最終的にはお互いに大きな信頼関係が構築されます。

まだ私は残念ながらどうすれば「ココロの交流」が出来るかという具体的な策を持っていません。ただし、一つだけポリシーを持っています。

「楽しみにしてもらう」「楽しんでいただく」「笑顔で帰っていただく」

この3つを実現するためには、一人ひとりの望んでらっしゃること、不満に思ってらっしゃること、満足してらっしゃることを日々のケアから観察し、会話し、心の声を聴くようにしなければなりません。
この方法がすぐに「ココロの交流」につながるかどうかは分かりませんが、常に相手のシグナルがキャッチ出来るアンテナを用意しておき、一人でも多くの利用者さん、またなごみの郷に関わる全ての方と「ココロの交流」が出来る介護職、気遣いが出来る人間でありたいと思いますし、介護に関わる職員全てが同じ想いを共有出来るように伝えていきたいと思います。