こんにちわ。施設長の八幡です。
ついこの間、「明けましておめでとうございます」と挨拶を交わしたと思いきや、気が付けば5月も中旬。暖かい季節を通り越し汗ばむ季節になりました。(僕の場合、汗だくですが(笑))
気候も穏やかになると、施設では外出の機会が多くなってきます。
僕達の普段の暮らしの中でも、近くの公園に散歩に行く。外食に出る。といったことはあるかと思いますが、それを「企画」や「行事」として捉えることは少ないと思います。
しかし、施設で暮らす入所者にとって、「公園でお弁当を食す」「レストランで食事をする」は「行事(イベント)」となってしまうのが、現状施設の課題であり、僕達の暮らしとのギャップと感じるものです。
また、僕達の暮らしの中で「行事」があるとしたら、その「行事」には必ず自分自身もその準備に携わり、自分自身の考えや意向が反映されるものですが、こうした施設での企画行事はどうでしょう?
職員が入所者の声(希望など)を拾い、そこからの準備の概ねは参加する本人には知らされず、職員で準備している事が多く、入所者はその行事の詳細の決定だけを耳にし、連れて行ってもらい参加する。
だから、実施した後の入所者の言葉にある「ありがとう」という感謝の意には、「連れて来てくれてありがとう、みんな(職員)“大変だったでしょう”」の感謝に聴こえる。
そんな疑問を先日介護職員と語っていたら、1人の職員が後日にこんな話を持って来てくれた。
今度、ヨシさん(仮名)が「浅草に行ってみたい」と話していたのですが、その実施を聴いたその日に実施は出来なかったのですが、その願いは叶えてあげたいと思うんです。
それで、連れていけることを目的にしないで、本人と色々準備をして、提供される感謝ではなく、実行できた“喜び”を目的にしてみようと思うんですけど…と。
浅草に行ったら、どのルート(順番)で何を見ようか、どの店で何を食べるかを情報誌から一緒に探してみたり、施設からどの経路(公共の交通機関)で行く事が出来るかといったことを一緒に調べ、その実施を支援する。
五体満足の僕らからみたら、大した事では無いかも知れないが、入所者や職員からしてみると大冒険となり、イベント(行事)となる。そして、実施出来た喜びに入所者は自分達の力(能力)で行けた事に、どこか“誇らしげ”な自信を持つのではないでしょうか。
こうした実施の先々にはきっと、寒いから、暑いから、雨だからと気候を相手にではなく、個々の望みに対して応援していける施設に変わっていき、外出することは、企画行事(イベント)という捉え方から当たり前の“暮らし”となっていくのでは。
ということで、まずは浅草に下見と称して、美味しい老舗の天丼でも食べて来よう~!