4月のある日、入居者と共に社会福祉協議会のボランティアセンターへ登録申請に行きました。
施設で暮らす入居者が施設内でボランティア活動するといった感覚がなかった私に、入居者の何気ない一言を聞いて『なるほど』と思った出来事があります。
なごみの郷では 入居者自身が誰かに必要とされ役割を持てるように支援を行なっています。
そんな中『こんなに仕事をしているのに、何の成果や報酬がないなぁ…やる気もなくなるよね』と入居者の気持ちは別のところにあった事にハッとしました。どのようにしたら形あるものになるかを模索…。
沢山の方々からのアドバイスをもらい、越谷市のボランティア登録に出向いてみることになりました。
登録をすると、指定のスタンプノートに1回の活動で1つスタンプを押す仕組み。そしてノートのスタンプ欄が全て埋まると、成果として年度の最後に報酬を頂けるもの。
登録後当初は、スタンプをもらいに行く事に慣れなかった入居者が次第に自ら活動ノートを持ち、「今日は1個」「朝から晩まで忙しいよ」と嬉しそうな表情です。年度が変わり、2度目の登録申請に行く事ができました。
私たちは日ごろ、高齢者の活動を「手伝い」「ボランティア」といった視点で捉えていましたが、例え高齢になって、身体に障害があったとしても、「働く」ことでの自分の存在価値を望む事は、本来の姿として当然なのかも知れませんね。
高齢者が生きる施設ではなく、高齢者が活きる暮らしを応援していける施設を益々追求していきます。
<介護保険つぶやきメモ>
要支援・要介護状態予防や健康増進、社会参加活動を目的としている越谷市独自の事業に、施設入居者が参画できる事が要介護の重度化予防の1つとなっているのは確かです。
昨年度4月介護保険法改正で、施設入居者は原則要介護3以上となりましたが、入居してから元気になって要介護度が軽くなった利用者・施設の取り組み等を市区町村ごとに、どう捉えていくのか気になるところです。
平成37年を目処に、国は地域包括ケアシステムの構築を目指しています。
介護予防や地域で取り組むこの法改正に施設として出来る事、その1つとしてベッドシェアリングがあります。このベッドシェアリング体制がスタートして10年余りが経過しておりますが、まだまだ活用しきれていない現状に、なごみの郷は今年度取り組んでいこうとしています。
施設ケアマネ 井上