いま、自分に出来ること!

こんにちわ。施設長の八幡です。
立春は過ぎたものの、まだまだ寒い毎日が続いていますが、如何お過ごしでしょうか。

先日13日(金)の午後2時頃、施設に1本の電話が入りました。

「男性の高齢者が家に入れない様子で、2時間以上外にいる」と。近隣の方が心配し最寄りの施設に連絡をしたそうだ。
その連絡を受けた施設から担当地域である「なごみの郷」に連絡が入った。
電話は受けたものの、地域包括の職員も、居宅職員も、訪問職員も全ての職員が外出中であり、対応出来る職員は事務員だけであった。
事務員は、連絡を受けこの状況に瞬時の判断を示し行動に移した。
この寒空に、対応職員を探したり、連絡をとっていることよりも、まず本人の安全が優先である!と。

通報のあった場所へかけつけると、確かにそれらしき高齢者が1人ポツンとたたずんでいる。車から降り本人に声を掛けると、どうやら家の鍵を紛失したようだ。家族の戻りは夕方~夜にかけてとの事で、本人は「待っている」と話す。
冷え切った身体を心配し、取り敢えず温かい車の中へ案内し、改めて話しを伺うと、越谷レイクタウンに行って鍵を紛失したとのこと。
それなら!と、本人と一緒に越谷レイクタウンへ行き、インフォメーションセンターへ。受付近くまでは共に歩いていたが、受付前に立つと自分では話をすることに不安があるようで、「お願い、話して」と言う。
事務員が受付に事情を説明すると、すぐに調べてくれ、落し物として本人の鍵の届けがあった。
鍵を手にし、再び自宅まで車で向かい、玄関の鍵を本人が開け、家の中まで見届け戻ってきた。

その高齢者は、特に介護認定を受け介護を必要としている訳ではないが、受付前の言動の印象から自ら助けを求めることに躊躇する性格だったのではないだろうか。(恐らく、通り掛かる何人かの方から声を掛けられていたが「大丈夫です」と家族を待ち続けていたと思われる)

施設からは車で10分程の場所でしたが、地域の方が「困ったときには“なごみさん”」と思い浮かべることが出来、その対応が図れることは、地域で暮らす方々の「安心」となることだと思う。また、職員個々の与えられた役割ではなく、今、自分に出来ること!として応じる考動が図れたことには、職員の達成感と共に働く活力となったこととも感じる。(ヒトに役に立てたこと)

こう考えると、高齢者に対しての僕たちの関わりも、「お世話をする」介護ではなく、高齢者自身が「誰かの為に役立てることがある」という事に、強い生甲斐を感じていけるんだろうなぁ~と改めて思いました。
寒空の下で不安を抱いていた高齢者が事故なく、無事に自宅に戻れて本当良かったです。
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(施設敷地内に咲く紅梅:気温は低くとも春の訪れを感じますね)