100歳を超えるOさんは現在「看取り介護」を継続中です。看取り介護を開始してから4カ月が経とうとしていますが、現在は食事も良く食べ、自分の意思もハッキリ伝えられ、元気に話す姿を見ていると、看取り介護中であること、100歳を超える年齢であることを忘れそうになることもあります。
そんな最中、「入院中のSさんが今朝亡くなりました」と訃報を聞き、驚きとともに、その事を職員に伝えると、皆一様にショックと哀しみを感じてました。それは入院前のSさんの元気な姿があったからでもあると思う。
看取り介護には、終末期の介護について、「尊厳に十分配慮しながら、その人らしく生活できるように日々の暮らしを営めるようにケアを行う」ということが、ある程度明確になっており、より意識的にそれが取り組まれる。
しかしケアに関する考え方は、看取りの方であろうと、そうでない方でも同じ環境下にあり、今回のように、いつ亡くなるとも分からない点では、全ての方に対して、より意識的な対応を図るべきであり、終末期と呼ばれる時期であると認識する方が自然なのかもしれない。
看取り介護は、入居者・家族にとって大切な選択肢の一つであることは間違いなく、それを提供できるように挑む施設と職員を誇りに思う。そしてそこには携わる全ての方の協力がなくては出来ないことという意味では特別なことではあるけれども、その一方でも、施設で暮らす全ての高齢者のケアも同様に意識していかなくてはいけない。
そんな当たり前のことを、Sさんのお通夜に参列した帰りに考えさせられ、施設の中にいる事で薄れてしまっている「普通」の感覚の大切さをみんなと考えていきたい。
閏間 順哉